大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 平成10年(オ)920号 判決

上告人 星野恒徳

外三名

右四名代理人弁護士 岡豪敏

上原茂行

井原紀昭

高田勇

佐度磯松

土谷喜輝

被上告人 鹿島興産株式会社

右代表者代表取締役 山本広志

被上告人 山本幸男

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理由

上告代理人岡豪敏、同上原茂行、同井原紀昭、同高田勇、同佐度磯松の上告理由第一点ないし第三点について

株式会社の取締役が商法二六五条一項の取引によって会社に損害を被らせた場合、当該取締役は、同法二六六条一項四号の責任を負う外、右取引を行うにつき故意又は過失により同法二五四条三項(民法六四四条)、商法二五四条ノ三に定める義務に違反したときには、同法二六六条一項五号の責任をも負うものと解するのが相当である。けだし、同項四号の規定は、取締役が同法二六五条一項の取引をして会社が損害を被った場合は、故意又は過失の有無にかかわらず、これを賠償する責めに任ずる旨を定めるものであり、右取引が法令違反行為にも当たるときに同法二六六条一項五号の責任が成立することを妨げるものではないからである。これと同旨の原審の判断は、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、独自の見解に立って原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。

その余の上告理由について

所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、又は独自の見解に立って原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。

よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 北川弘治 裁判官 河合伸一 裁判官 福田博 裁判官 亀山継夫 裁判官 梶谷玄)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!